ルーヴル美術館展 肖像芸術~人は人をどう表現してきたか

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ルーヴル美術館展 肖像芸術~人は人をどう表現してきたか

ルーヴル美術館展 肖像芸術~人は人をどう表現してきたか

こんにちは、横山です。
京都国立近代美術館にゴッホ展を見に行ったあの感動から間もなく一年・・・
次の刺激が欲しくて行ってきました”ルーヴル美術館展”
ギリギリ最終日に駆け込みました。

今回のルーヴル美術館展のテーマは「肖像芸術~人は人をどう表現してきたか」です。
これはweb制作に携わっている私にとって、とても興味深いテーマでした。

長い歴史をもつ「肖像」という芸術ジャンルですが、今回のルーヴル美術館展では、古代エジプトの棺用マスクから19世紀の皇帝ナポレオン像、ヴェロネーゼの「美しきナーニ」と肖像芸術の傑作が多数展示されていてました。
そして「肖像」というものの役割や表現が、時代と共にどんなふうに変化してきたのかを感じることができました。

プロローグからエピローグまで5つに分けて展示されていて、見ごたえありましたよ!
・プロローグ マスク肖像の起源
・第1章 記憶のための肖像
・第2章 権力の顔
・第3章 コードとモード
・エピローグ

昔の肖像画や彫刻を見ていると、同じ人物をモデルにしているのに作品によってずいぶんと顔や雰囲気が違っていて、いったい本当はどんな顔の人だったんだろうと思うことがありますよね?
それはその時代によって何をどう表現したいか?肖像にどんな役割を持たせているか?などの違いがあったためです。

マスク~肖像の起源~


肖像の起源と言われるマスク。
古代エジプトと言えばミイラ。ミイラと言えばマスクですよね?
そのマスクですが、古代エジプトでは異なる2つのタイプが存在したようです。

そもそも来世での生を死者に確約するために亡骸をミイラにしていたそうですが、古王国・中王国時代(前2700頃-前1710頃)はミイラの頭部を直接マスクで覆うものだったのが、新王国時代(前1570頃-前1070頃)にはミイラをかたどった人型棺の普及により、棺の頭部がマスクで飾られるというスタイルになったそうです。

この時代のマスクは故人の容貌を忠実に再現というよりも、理想化した顔で作られていました。

それが1~3世紀頃になってミイラの顔は板に描かれた肖像画で覆われるようになり、この頃には写実性が重視されるようになり、故人の顔立ちがリアルに描写されるようになりました。

しかしどちらも”来世で生き永らえる”という願いは同じです。

同じエジプトでも「理想化」「写実性」という対極的な表現がされていたんですね。

権力の顔


肖像芸術が最も古くから担ってきた役割のひとつに「権力の顕示」があります。
このころの作品は誰が見ても君主だと分かるよう表現コード(表現の仕方、表現のルール)が用いられています。
頭部像、胸像、全身像などの彫刻、絵画、嗅ぎタバコケース、コインやメダルと多くの媒体で表現されています。

フランス王妃マリー=アントワネットの胸像は、その権力を表現しようときつ目の顔立ちで作られましたが、あまりに不評だったため、少し柔らかい表情に修正したそうです。

ブランディング上手なナポレオン

webサイトを作るにしても会社を経営するにしても、個人でアピールするにしてもブランディングはかかせませんよね。
どう見せたいか、何をアピールポイントとするかはとても重要なことです。

権力の顔と言いうテーマのものの中ではやはり、フランス皇帝のナポレオンの肖像がとても印象的でした。

ナポレオンは古代ローマの皇帝像とフランスの国王像の2つの表現コードを巧みに取り入れ、君主としての正当性を強調したそうです。

ナポレオンはブランディングが上手だったんですね。

そんな着飾ったナポレオンの肖像をたくさん見ましたが、インパクト大だったのはやはりデスマスクでしょうか。
リアルなナポレオン・・・しかもデスマスクです。
他の肖像とは全くイメージの違うお顔でした。
作りこんでいない分あまりにナチュラルで、その眠っているかのような顔を見て、どんな人生をどんな思いで歩んできた人なのだろうと考えてしまいました。

いつの時代の人も自分をよく見せたい、盛りたい気持ちは変わらない


全部のセクションを見終わって、「いつの時代も自分をよく見せたいと思うのは人の常なのか」と思いました。

現代だとプリクラ、インスタなどのSNSでみんな盛りまくっていますよね?
私の仕事でいうとPhotoshopでの加工ですね。
別人級に加工し放題です。(笑)

いわゆる「盛りたい」気持ちは古代エジプト時代から変わらないという事です。
そしていつの時代にもそれらを表現しようとする芸術家が存在し、あらゆる手法を編み出してきたんですね。

でも、大きな大理石を削って作る失敗できない一発勝負の世界で生きてきた彫刻家たちの作品を見ていると、何度でもやり直しのきくPhotoshopの時代で良かったーと少し思いました。(笑)

芸術に触れることはやっぱり気持ちいい!

今回もまた本当にいい刺激を受けました。
芸術に触れることはやっぱり気持ちいい!

人の常、権力の顕示、記憶、思い出、故人への敬意・・・

どんなに時代が変わっても、人間の根底にあるものは変わらないのかもしれません。

今この時代に、芸術というカテゴリに関わっていられることを幸せだなーと改めて思いました。

お客様の会社のブランディング。
アウラのブランディング。
もう少し意識してみようと思います。

そしていつか本物のルーヴル美術館に行きたい!!!

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