今回は、以前ご紹介した「採用サイトの役割・効果・コンテンツについての記事」からさらに一歩踏み込んで、採用サイトの効果を最大限に引き出す方法についての内容になります。
前回の記事では、採用サイトが「会社の考えを伝え、ミスマッチを減らす重要なツールである」とお伝えしました。
しかし、どれほど採用に強いコンテンツを用意しても、それがコーポレートサイトの片隅に埋もれてしまっていては、ターゲットとなる求職者にその想いは届きません。
これまで多くのお客様から採用のお悩みを聞く中で、試行錯誤しながらWebサイト制作と向き合ってきました。
その経験から、採用サイトの「コンテンツ」と同じくらい、サイトの「構造」そのものが結果を左右することを実感しています。
そこで今回は、採用サイトの効果をより発揮させるための戦略の一つである「コーポレートサイトと採用サイトの分離」についてご紹介します。
まず、なぜ、あえてサイトを分けることが「採用サイトの効果を最大化させる」のか、その理由を解説していきます。
一般的に、企業のWebサイト(コーポレートサイト)の中には「採用情報」というメニューが含まれています。
しかし、「サイトを分離する」とは、その採用情報を単なる1ページとして扱うのではなく、コーポレートサイトとは別の「独立した専用サイト(採用サイト)」として構築することを指します。
家を例にすると、大きな家の一部屋を採用担当に割り当てるのではなく、隣に「採用専用の別館」を建てるようなイメージです。
なぜ、あえてサイトを分けることが採用サイトの効果を最大化させるのか。
コーポレートサイトと採用サイトを分ける最大の理由は、根本から異なる「ターゲット」と「目的」を区別し、それぞれのユーザーに最適な情報をピンポイントで届けられるようになるからです。
多くのコーポレートサイトにおいて、ターゲットとなる顧客は「この会社のサービスは何か?」「この会社に仕事を任せて大丈夫か?」といった、企業の信頼性や実績を確認します。
対して、採用サイトのターゲットである求職者は「この会社はどのような雰囲気か?」「自分がこの場所で働く姿を具体的に想像できるか?」という、自身の未来を重ね合わせるための情報を探しています。
この全く異なるターゲットを一箇所で満たそうとすると、情報が分散してしまい、結果的にどちらのターゲットにも刺さない中途半端なサイトになってしまう可能性があります。
つまり、サイトを分離させるということは、「知りたいことが違う」ユーザーそれぞれに対して情報を最適化するということであり、それが最も分かりやすく、かつ確実に目的を達成させるための戦略です。

サイトを分けることで、印象(デザイン)をユーザーに合わせ最適化させることができます。
例えば、コーポレートサイトは企業の信頼性を伝えるために「誠実で安心感のある落ち着いたデザイン」にし、採用サイトでは若い求職者に応募してもらえるよう「エネルギッシュな先進的なデザイン」にすることで、それぞれのターゲットに刺さる表現が可能になります。
一見矛盾する自社の魅力を、サイトを分けることで正しく表現できるようになります。
例えば、求職者がサイトを訪れた際、実績紹介や製品情報などに埋もれて「知りたい情報」を探し回る状況は、離脱の大きな要因になります。
専用の採用サイトがあれば、求職者が知りたい情報への導線を最短で設計できるため、求職者が迷うことなく、最短距離で必要な情報に辿り着ける状態になり、応募したい気持ちが高いうちにエントリーへと誘導することが可能です。
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「(職種名) × 採用」などのキーワード対策がしやすくなり、検索エンジンからの流入が期待できます。
また、アクセス解析においても顧客と求職者の動きを分けて分析できるため、採用マーケティングの精度が向上し、結果的にコスト削減にもつながります。
サイトを分離する際、技術的にどのように構築すべきかというご相談もいただくことがあります。
主に以下の3つのパターンがありますが、それぞれの特徴を理解し、自社の運用方針に合ったものを選ぶことが大切です。
コーポレートサイトの配下に専用の階層を作る方法です。
「○○○.co.jp」を本体ドメインとしたとき、「○○○.co.jp/△△△」のように本体ドメインの後ろに文字列を追加します。
(例)example.com/recruit
コーポレートサイトのドメインの前に「recruit」などを追加する方法です。
「○○○.co.jp」を本体ドメインとしたとき、「△△△.○○○.co.jp」のように本体ドメインの先頭に文字列を挿入しているドメインを使用します。
(例)recruit.example.co.jp
コーポレートサイトとは全く別のドメインを取得して運用する方法です。
「○○○.co.jp」をコーポレートサイトのドメインとしたとき、「△△△.jp」のような全く違うドメインを使用します。
いくつか手法を紹介しましたが、当社が最もおすすめしているのは「サブディレクトリ」での構築です。
メリットでもお伝えしました「コーポレートサイトのSEO評価を直接引き継げる」ことが最大のおすすめポイントで、検索エンジンに「コーポレートサイトの採用情報」と正しく認識してもらえることが強みです。
「サブディレクトリだとデザインが制限されるのでは?」という懸念もありますが、当社ではサブディレクトリでもデザインテーマの変更も可能なため、ターゲットに最適化したデザインのサイトが実現します。
その他に、「AirWORK」や「engage」などの採用プラットフォーム(SaaS)のサービスを利用することも可能ですが、デザインのカスタマイズには限界があります。
自社の特徴をしっかり出したいと考える企業には、やはり独自の採用サイト構築が向いています。
実際に弊社が手がけた、コーポレートサイトと採用サイトを分離して成果を上げた事例をご紹介します。

https://www.konishihide.jp/recruit/
「採用に課題を感じている」「自社の魅力をより戦略的に発信したい」というご相談から始まった事例です。
コーポレートサイトとは印象をガラリと切り替え、企業の「真面目さ」と「アットホームな雰囲気」が直感的に伝わる採用サイトを目指しました。
あえて別サイトとして切り出すことで、顧客向けの堅実なデザインに縛られず、求職者が親近感を抱けるビジュアルを追求しています。
結果として、サイト分離によりターゲットが情報を探しやすい環境が整い、単なる応募数アップだけでなく、「自社の社風を理解した上での前向きな応募」が増えるという、行動に繋がりやすいサイトに仕上がりました。

https://www.cmknet.co.jp/recruit/
「既存の採用サイトの情報が古くなり、最新の状況を発信できていない」という課題を解決するために行ったリニューアル事例です。
掲載情報の鮮度を保てるよう構造を見直すと同時に、デザイン・機能の両面から現代的なサイトへと刷新しました。
また、「キャリア採用と新卒採用で情報を明確に切り分けたい」というご要望を形にするため、画面端(PCは右下、スマホは左下)に直感的に操作できる「切り替えトグル」を常設し、ユーザーが自分に該当する情報へ迷わずアクセスできるUIを実現しました。
結果として、新卒・キャリアそれぞれのターゲットが「自分に向けられたメッセージ」を即座に受け取れる構造になり、現在の企業の状況や風土を届ける信頼感のある採用サイトになりました。

サイトを分けることは、単にWebサイトを増やすことではなく、自社の文化を伝えようとする姿勢の表明です。
どんなに伝えたい理念や制度があっても、それが届くべき人に届かなければ意味がありません。
情報を整理し、採用サイトを独立させることで、ターゲットとなる求職者に本当の想いをダイレクトに届けることが可能になります。
その結果として、社風に共感した求職者の応募があり、入社後のミスマッチをなくすことにも繋がります。
「今のサイトでは採用の魅力が伝えきれていない」と感じているなら、一度サイトのあり方を見直してみませんか?
当社では貴社の強みを引き出し、求職者の心に刺さる採用サイト制作を得意としています。
「まずは自社のサイトがどう見えるか診断してほしい」というご相談も大歓迎です。
